鰻の成瀬、店舗網の縮小と本部の減益 FC加盟前に見る数字
鰻の成瀬の公式一覧に載る店は2026年10月14日時点で162件と、3月開示の270店舗から縮んだ。本部の2025年8月期は売上高が約28%増えたが、営業利益は半分以下に減った。加盟前に本部へ求める資料を整理する。

うなぎ専門店「鰻の成瀬」の店舗網が縮んでいる。運営会社FBIの株式取得を伝えたAIフュージョンキャピタルグループの開示は、2026年3月31日に直営・FC合計で270店舗と記した。公式サイトの店舗一覧に載る店は、10月14日時点で162件だった。本部の利益も細っている。同じ開示によると、FBIの2025年8月期は売上高が前期より約28%増えた一方、営業利益は半分以下に減った。加盟や多店舗展開を考える経営者にとって、判断の材料は総店舗数の大きさから、期末に営業を続ける店の数と本部の利益の推移、開店後の支援の中身へ移っている。
店舗網は3月の270店舗から10月に162件へ縮んだ
公式の店舗一覧の掲載件数は、10月14日時点で国内158件、海外4件の計162件となり、3月の開示の270店舗を108件下回る。一覧は地域ごとの掲載件数で、開示は直営とFCの合計のため、数え方が同じとは限らない。それでも外部の報道は同じ向きを示す。マネー現代の記事によると、最盛期に約400店舗あった店は閉店が相次ぎ、2026年7月末時点で約230店舗だった。一覧の掲載件数も、10月10日の164件から10月14日の162件へと減っている。
閉店と休業の内訳は公表されていない。上の図は、地域ごとにどれだけの店が一覧に載っているかを示すもので、出店を考える地域での店の密度の目安になる。近くの店が営業を続けているかは件数には表れないため、公式の店舗一覧で店名と所在地を確かめ、実際に店へ足を運んで確認する。
本部は売上高が約28%増えたが、営業利益は半分以下に
同じ開示に載るFBIの経営成績を前期と比べると、売上は伸びたが利益は大きく減った。2025年8月期の売上高は約20億8226万円で、2024年8月期の約16億2106万円から約28%増えた(2,082,259千円÷1,621,064千円で計算)。営業利益は約1億2154万円から約5468万円へと半分以下に減った(54,677千円÷121,540千円=約0.45、約55%減)。営業利益を売上高で割った営業利益率は、約7.5%から約2.6%に下がった。最終損益は約7971万円の黒字から約3942万円の赤字に転じている。
- 売上高
- 約28%増
- 営業利益
- 約55%減
- 営業利益率
- 7.5%→2.6%
- 当期純損益
- 赤字に転落
約16億2106万円→約20億8226万円
約1億2154万円→約5468万円
営業利益÷売上高
約7971万円の黒字→約3942万円の赤字
開示は株式取得の理由に、低いコストでの出店、職人を必要としない標準化、短い期間での出店を挙げ、取得後は店舗の営業利益率で15%水準をめざすとした。これは買い手の会社の評価と目標であり、候補の立地で店がもうかることを示す実績ではない。加盟店の採算は、本部の決算とは別に、うなぎの仕入れ、人員、家賃、本部への支払いを積み上げて見積もることになる。15%という目標を前提にするなら、その水準に届いている既存店の数と条件を本部に示してもらうと、計画の現実味を測りやすい。
加盟前に求めるべきは、予測の根拠と開店後の支援
公正取引委員会のフランチャイズガイドラインは、本部が開示することが望ましい事項として、指導の内容・方法・回数・費用、経営不振時の支援、契約の更新や解約の条件、近隣への出店計画を挙げる。売上の予測は、似た環境の店の実績など合理的な根拠に基づき、平均的なモデルと区別して示すよう求めている。
商品の変更が加盟店の売上にどう効いたかも確かめたい。FBIの発表によると、2026年7月1日から全国でグランドメニューを改定し、価格帯と量の違いを整理した。
| 本部へ求める資料 | 判断できること |
|---|---|
| 期末に営業している店の数と、開店・閉店の推移 | 累計の出店数と比べ、営業を続けている店がどれだけあるか |
| 類似立地の既存店の売上と、予測の算定根拠 | 売上予測が実績に基づくか、平均的なモデルにとどまるか |
| 開店後の指導の内容・回数・費用 | 店が増減しても、開店後の支援が自店まで届くか |
| 経営不振時の支援と、契約の更新・解約の条件 | 採算が合わないときに、どこまで負担して撤退できるか |
| 近隣の出店計画 | 自店の商圏に同じブランドが出てこないか |
| 7月1日のグランドメニュー改定の前後の既存店売上 | 全国で価格帯や量を整理した改定が、加盟店の売上につながったか |
担当者の口頭の説明は、契約書に書かれた支援の範囲と突き合わせると食い違いが見えやすい。複数の店を出す計画なら、本部の担当者1人が受け持つ店の数と対応できる時間から、同じ支援が続くかを試算できる。
鰻の成瀬への加盟を決める条件は、上の資料を本部がそろえて示せるかどうかにある。今後注目する数字は、公式一覧の掲載件数が10月14日時点の162件から下げ止まるかと、次の決算で本部の営業利益が持ち直すかの2つだ。選択肢は、資料がそろうまで加盟を待つ、1店目は契約の支援範囲を確かめたうえで小さく始める、同じ物差しで他のうなぎチェーンと比べる、の3つが考えられる。店舗網が縮んでいるほかのFCを検討するときも、同じ資料を求めれば総店舗数の数字に振り回されにくい。
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