松屋は牛めしを20円上げ、同じ日に790円の定食を定番にした
松屋フーズは2026年10月13日、牛めし並盛を480円に上げ、同じ時刻に790円からの「たっぷり牛皿定食」を定番化した。客単価が4か月前年割れのなか、看板は小幅に上げて上の価格帯を厚くした形で、個人店が値上げで見る数字を示す。

松屋フーズは2026年10月13日15時、牛めし類を全サイズ一律20円値上げし、並盛を480円(税込み)にした。同じ時刻に、牛めしの大盛りと同じボリュームをうたう「たっぷり牛皿定食」(790円から)を定番メニューに加えている。松屋の既存店は、客数が7月以降は前年を上回る水準に戻った一方で、客単価が6月から4か月続けて前年を下回っていた。看板商品の値上げを数十円にとどめ、その上に高い価格帯の選択肢を厚くする。原価高で値上げを迫られながら客離れを恐れる個人店にとって、参考になる組み立て方だ。
看板の並盛は480円に、上げ幅は1品10〜30円
松屋フーズの発表(2026年10月9日)によると、改定の理由は原材料費、人件費、物流費、光熱費、包装資材費などの上昇だ。牛めし類は各種セットを含めて全サイズ一律20円上げた。日本食糧新聞・電子版が配信した時事通信速報も、並盛が460円から480円になると伝えている。
上げ幅は商品の区分ごとに3段階に分かれた。発表に価格が載った商品で上げ幅を改定前の価格で割ると(小数第2位を四捨五入)、牛めし類は一律20円で、率は並盛の約4.3%からうまトマチーズ牛めし(並盛)の約2.9%までだ。朝食の「Wで選べる玉子かけごはん」(350円)と得朝牛皿定食(400円)は30円上がり、率は約8.6%と約7.5%になった。ソーセージエッグ定食は10円(約1.9%)にとどまった。
色:列の中で数字が大きいほど濃い青
| 商品 | 改定前(円) | 改定後(円) | 上げ幅(円) | 上げ率(%) |
|---|---|---|---|---|
| 牛めし(並盛) | 460 | 480 | 20 | 4.3 |
| チーズ牛めし(並盛) | 660 | 680 | 20 | 3.0 |
| うまトマチーズ牛めし(並盛) | 690 | 710 | 20 | 2.9 |
| Wで選べる玉子かけごはん | 350 | 380 | 30 | 8.6 |
| 得朝牛皿定食 | 400 | 430 | 30 | 7.5 |
| ソーセージエッグ定食 | 530 | 540 | 10 | 1.9 |
同じ日に790円の定食を定番化し、上の価格帯を厚くした
値上げと同じ10月13日15時、たっぷり牛皿定食がレギュラーメニューになった。松屋フーズのお知らせ(2026年10月9日)によると、価格は790円からで、特盛牛皿定食は990円、たっぷりネギたま牛皿定食は990円、特盛ネギたま牛皿定食は1190円だ。定食のためライスのおかわりが無料になる。グルメ Watch(2026年10月9日)によると、公式アプリでは10月13日から20日まで50円引きのクーポンを配る。
並盛480円との差は310円ある。量とおかわりという別の価値がつくため、看板の牛めしとは違う理由で選ばれる商品として読める。
週刊アスキー(2026年10月8日)によると、同じ週には期間限定の「MEGA盛りフェア」(10月13日10時から20日10時まで)もある。肉を大盛の2倍、ライスを特盛にした丼を1140円と1200円で売る。
客数は7月から前年超え、客単価は4か月続けて前年割れ
値上げの前の松屋は、客は来ているが1人あたりの支払いが伸びない状態だった。松屋フーズホールディングスの月次報告によると、牛めし事業の既存店の客単価は6月に前年同月比99.6%となり、9月(速報)の98.9%まで4か月続けて100%を下回った。9月は客数が100.5%と前年を上回ったが、売上高は99.4%で前年に届かなかった。
- 既存店売上高
- 客数
- 客単価
売上は客数と客単価の掛け算で決まる。客数が保たれているなら、売上を前年に戻す手段は単価になる。看板の小幅な値上げと高単価メニューの追加は、客数が変わらなければ、どちらも客単価を押し上げる方向に働く。10月度の月次速報は11月2日午後に出る予定で、客単価が100%を超えるか、その代わりに客数が下がるかが、今回の組み立ての最初の答えになる。
個人店は看板を小幅に上げ、上の選択肢を期間限定で試せる
個人店が同じ形を取るなら、改定の前後で見る数字は2つある。値上げした看板商品の1日あたりの販売数と、高単価の商品の1日あたりの販売数だ。看板の販売数が改定前の水準を保ち、高単価の商品の販売数が増えていれば、客は離れずに上の価格帯も選んでいると読める。看板の販売数が落ち、高単価の商品も伸びていなければ、値上げで客が離れた可能性を疑う。
上げ幅の決め方は、額をそろえるか、商品ごとに額を変えるかの2つに分かれる。松屋は牛めし類では額を一律20円にそろえ、品書きをわかりやすくした分、率は2.9〜4.3%と商品ごとにばらついた。朝食の商品では額を変え、玉子かけごはんと得朝牛皿定食は30円(7.5〜8.6%)、ソーセージエッグ定食は10円(1.9%)とした。同じ系統の商品が並び、品書きのわかりやすさを優先したい店なら額をそろえる方法が合う。原価の重さや、来店のきっかけになっているかどうかが商品ごとに違う店なら、商品ごとに額を変える方法が合う。
仕込みや提供時間に余裕がない店でも、高単価の商品を期間と数量を絞って出せば、先の2つの販売数を見てから定番化を判断できる。
出典
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