飲食店営業許可は着工前の図面相談から 東京都内の手順と費用
東京都内で飲食店営業許可を取るには、着工前の図面相談、完成10日前ごろの申請、立会検査を経る。世田谷区は検査合格の翌平日から営業できると明記している。6区の手数料と申請方法、開業日の置き方を示す。

内装工事が終わっても、保健所の検査で施設が基準に合うと確かめられるまで、店では仕込みも始められない。中央区と目黒区の案内はそう明記している。都内で飲食店営業許可を取る流れは、着工前の図面相談、完成の10日ほど前の申請、立会検査、許可書の交付の順で、港区・中央区・北区・世田谷区・目黒区の案内とも同じだ。合格後いつから営業できるかを明記しているのは世田谷区で、検査合格の翌平日から営業でき、許可書は後日交付するとしている。新規の手数料は中央区・北区・世田谷区・目黒区・練馬区が1万8300円、港区が1万6000円だ。開業日は、着工前に図面を見せたか、検査に一度で通るか、所管の保健所がいつから営業を認めるかで決まる。
図面相談は工事の着工前、書類は完成の10日前が目安
港区「営業許可 手続きのながれ」によると、最初の手続きは工事着工前の事前相談だ。施設全体と調理場の詳細を記した平面図を持ち込み、施設基準に合うかを担当者が点検する。申請書類一式もこの場で渡される。中央区、北区、世田谷区、目黒区も、着工前に図面を持って相談に来るよう案内している。
図面の段階で基準に合わない点が見つかれば、工事をやり直さずに図面の修正で対応できる。菓子やそうざいを製造して売る場合は菓子製造業やそうざい製造業など別の許可業種に当たる場合があり、世田谷区は図面相談の際に販売・製造の品目や営業形態も確かめるとしている。物件を契約する前に、予定する営業内容と図面の案を保健所に見せておけば、その物件で営業できる設備を置けるかを早い段階で見極められる。
書類を出す時期は、港区が工事完成予定日(または検査希望日)の7〜10日前、中央区・北区・目黒区と東京都が10日くらい前、世田谷区が10〜14日前を目安としている。港区と北区は、申請の際に完成予定日などを伝えて検査の日程を打ち合わせるよう求めている。
- 着工前の図面相談平面図で施設基準に合うかを保健所と照らし合わせる
- 書類の提出工事完成予定日の7〜14日前。目安の日数は区で異なる
- 完成した施設の検査営業者が立ち会い、施設が基準に合うかを確かめる
- 営業開始と許可書の交付合格後いつから営業できるかは所管の保健所に確かめる(世田谷区は合格の翌平日から営業でき、許可書は後日交付)
世田谷区は合格の翌平日から営業可、許可書は後日
検査には営業者本人が立ち会う。港区は、施設基準に合っていれば許可となり、指摘があれば改善して再検査を受けるとしている。中央区と目黒区によると、基準に合うと確かめられるまでは仕込みなどの営業行為もできない。
検査に通った後の扱いは、区によって案内の書き方が異なる。世田谷区「食品関係営業施設の営業許可申請」は、検査で合格した翌平日から営業を始められ、許可書は後日交付すると明記している。目黒区「新たに食品に関する営業を始められる皆様へ」は、許可書の交付までに検査から1週間程度かかるとしている。北区は、交付予定日になったら保健所で許可書を受け取るよう案内している。
このため開業日は、検査日を起点に置くのが現実的だ。世田谷区の店なら、検査日の数日後を開業日にできる。他の区では、合格後いつから営業できるかを検査日程の打ち合わせの際に所管の保健所に確かめ、その答えをもとに開業日を置く。許可書の受け取りまで見込むなら、目黒区が示す「交付まで検査から1週間程度」が目安になる。オープン告知やスタッフ研修の日は、検査日と営業開始日が決まってから固めると日程が狂いにくい。
工事と別に準備が要るのは、食品衛生責任者と水質検査書
東京都の案内が挙げる新規申請の書類は、申請書、施設の構造と設備を示す図面2通、食品衛生責任者の資格を証明するもの、水質検査成績書、申請手数料の5つだ。申請時か検査時には、衛生管理計画も確認される。法人は、申請書に書いた法人番号で存立が確かめられる。
このうち内装業者に任せられないのが、食品衛生責任者と水の書類だ。北区「食品関係の営業許可を取得するには」は、施設ごとに食品衛生責任者を置く必要があるとし、資格を持つ人がいない場合は早めに準備するよう促している。養成講習会は東京都食品衛生協会が開いている。
水質検査成績書は、水道水を直接使う店なら要らない。港区では有効容量10立方メートル以下の貯水槽の水や井戸水を使う場合に限り、北区は1年以内の検査書を求める。ビルの受水槽から水を引く物件では、管理会社に水の供給方法を早めに聞いておくと、申請の直前に慌てずに済む。
手数料は港区が1万6000円、他の5区は1万8300円
色:列の中で数字が大きいほど濃い青
| 区 | 新規申請手数料(円) |
|---|---|
| 港区 | 16,000 |
| 中央区 | 18,300 |
| 北区 | 18,300 |
| 世田谷区 | 18,300 |
| 目黒区 | 18,300 |
| 練馬区 | 18,300 |
出典:港区(2026年4月1日更新)、中央区(2023年10月4日掲載)、北区(2026年10月13日更新)、世田谷区(2026年3月30日更新)、目黒区(2026年4月1日更新)、練馬区(2023年6月7日更新)の各案内
新規の手数料は、中央区・北区・世田谷区・目黒区・練馬区の5区が1万8300円で、港区だけが2300円安い。練馬区は、他の特別区や東京都の手数料は異なることがあるとしており、東京都も特別区などでは様式が都の案内と異なるとしている。手数料も書類も、店の所在地を所管する保健所のものを使う必要がある。港区は、納めた手数料は原則として返さないとしている。
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