葉物高は10月も続く見通し キャベツも後半やや高く、値上げ前の手順
9月28日の週の小売価格は平年比でレタス150%、キャベツ143%。農水省は10月もレタス・はくさいが月を通じて平年を上回り、キャベツも後半はやや上回るとみる。値上げの前に歩留まりと付け合わせを見直したい。

農林水産省の食品価格動向調査によると、2026年9月28日の週の全国平均小売価格は、平年比でレタス150%、キャベツ143%に達した。農林水産省の10月の見通しでは、レタスとはくさいは月を通じて平年を上回る。キャベツも前半は平年並みだが、後半は平年をやや上回る。葉物の高値は10月中には解消しない前提で、価格に手を付ける前に、歩留まりと付け合わせを見直しておきたい。
レタス5割高・キャベツ4割高、根菜とたまねぎは平年並み
値上がりはレタスとキャベツに集中しており、仕入れ全体が一様に上がっているわけではない。同じ調査で、ばれいしょ・たまねぎ・ねぎは平年比100〜101%、にんじんは94%と平年並みか下回った。
1kgあたりの価格(税込)はレタス1,058円、キャベツ235円で、前週比はレタスが170%、キャベツが116%と、9月下旬に入って上げ足が速まった。同調査は全国470店舗の訪問調査だ。特売を含まない価格の単純平均をとっている。
背景には天候がある。農林水産省(9月30日公表)によると、キャベツの群馬県産は9月以降の日照不足と低温で生育が遅れ「やや小玉傾向」にある。続く千葉県産も長雨で生育不良や遅れがみられるという。ウェザーニュース(10月2日)によると、主要産地の9月の降水量は過去10年比で約294%だった。日照時間は約35%にとどまった。店にとっては、仕入れ全体ではなく、レタス・キャベツなど葉物の使い方に対策を絞れる局面だ。
レタス・はくさいは10月も平年超え、キャベツも後半高く
レタスとキャベツは、上がり方も先行きも違う。店の仕入れに近い卸売価格で見ると違いがはっきりする。農林水産省が9月30日に公表した東京都中央卸売市場の価格では、レタスとはくさいは9月中旬から急に上がった。上旬は平年を下回っていた。キャベツは9月の掲載日を通じて平年比111〜129%で、平年より高い水準が1か月続いている。
色:100より高いほど濃い橙、低いほど濃い青
| 品目 | 9月1日 | 9月8日 | 9月15日 | 9月24日 |
|---|---|---|---|---|
| レタス | 67 | 87 | 125 | 232 |
| はくさい | 66 | 88 | 109 | 162 |
| キャベツ | 118 | 124 | 116 | 120 |
農林水産省の10月の見通しでは、レタス・はくさいは10月を通じて平年を上回る。キャベツは前半が平年並みで、後半は平年をやや上回る。葉物の中では、レタスとはくさいの高値がより強く、キャベツは月の後半に向けて上がる形だ。農林水産省によると、ばれいしょとたまねぎは北海道産が順調で、10月は平年を下回る見通しだ。
民間の予想もある。ウェザーニュースによると、レタスと白菜は産地の切り替えで入荷が回復し、10月下旬にかけて価格が下がる見込みだ。ただ同社も、10月の平均では高い水準が続く可能性があるとしている。レタスやはくさいを多く使う店は下旬の値下がりを当てにした計画は立てにくく、キャベツの店は前半の落ち着きを準備に使える。
葉物の多い店は、捨てる量と付け合わせから原価を削る
葉物の高値が続く前提に立つなら、客に見える価格や量に手を付ける前に、店の中で原価を下げる手が残っている。次の手順は、客への影響が小さいとみられる順に並べたものだ。
- 原価を押し上げている品目を絞る品目ごとに週の使用量と仕入れ単価の上がり幅を掛け合わせ、影響の大きい野菜を特定する
- 捨てている量を量る外葉や芯など実際に捨てている重さを量り、使える部分1kgあたりの原価で比べる
- 捨てる部分の使い道を広げる外葉や芯をスープやまかないに回し、仕入れ量そのものを減らす
- サイドや日替わりで置き換える10月に平年を下回る見通しのばれいしょ・たまねぎを使う品を前に出す
- 最後に価格や盛り付け量を見直すそれでも原価率が戻らない場合に、改定の幅と告知の仕方を決める
農林水産省は「歩留り」を、品目全体から普段捨てる部分を除いた可食部の割合と説明しており、キャベツでは芯が捨てる部分にあたる。産地が「小玉傾向」とされる時期は、1玉から使える量が減る可能性がある。数日分だけでも、仕入れた重さと使えた重さを記録すれば、仕入れ単価の上昇が実際の原価にどれだけ響いているかがわかる。
置き換えは、看板の品を外して考える必要がある。日本海テレビの例がわかりやすい。10月8日の報道によると、鳥取県若桜町のとんかつ店では、キャベツの仕入れ値が前月の1.5倍ほどになった。それでも週に約20玉使うキャベツの量も価格も、現時点で変える予定はないという。とんかつのキャベツのように料理の一部として期待されている品は、置き換えると満足度を損ねかねない。調整はサイドや日替わりで行う方が、客の反応を確かめやすい。
カット野菜への切り替えも、天候の影響から逃れる手にはならない。日本食糧新聞が伝えた過去の例がある。2025年1月のキャベツ高騰時、サラダクラブは千切りキャベツなどの内容量を15〜25%減らした。出荷数量も一定程度絞った。切り替えるなら、取引先が示す価格と供給量の両方を比べる必要がある。
価格改定は、10月後半の週次の平年比を見て決める
価格や盛り付け量を動かすかどうかは、10月後半の数字で判断できる。農林水産省の食品価格動向調査は、原則として毎週火曜日に前週分を公表する。見るべきは2つで、レタスの平年比が下旬にどこまで下がるか、キャベツの平年比が後半に上がるかだ。
野菜以外の仕入れも上がっている。nippon.comが伝えた帝国データバンクの集計では、10月の飲食料品値上げは3,153品目だ。主要食品メーカー195社が対象で、うち調味料が820品目だった。秋田魁新報(共同)によると、加工食品も668品目にのぼる。レタスの値下がりを待っても、原価全体の圧力は残る。
判断の分かれ目は、どの葉物をどれだけ使うかだ。レタスやはくさいが中心の店は、農林水産省の見通しでは10月中は平年超えが続く。下旬の値下がりが小さく、歩留まりの改善とサイドの置き換えで原価率が戻らなければ、価格か盛り付け量の見直しを検討する段階だ。キャベツが主役の店は、前半のうちに廃棄量を減らしておき、後半に週次の平年比が上がるかを見て改定を決められる。どちらの店でも、10月の間に高騰品目の使用量と廃棄量の実測をそろえておけば、改定するかどうかを数字で決められる。
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