特定技能「外食」停止半年、2月以降の呼び寄せは審査待ち
外食業の特定技能1号は2026年4月13日から呼び寄せと他資格からの切り替えが止まった。更新と分野内の転職は続き、停止2カ月の7月時点で転職市場の外国人材の求人は倍増していた。申請ごとの扱いと審査の進み具合、人員計画の組み方を整理した。

外食業の特定技能1号は2026年4月13日から新規の受け入れが止まり、半年が過ぎた。止まったのは海外からの呼び寄せと、留学など他の在留資格からの切り替えで、すでに外食業の特定技能1号で働く人の更新と、外食業の中での転職は通常どおり審査されている。呼び寄せの審査は遅れており、入管庁が9月10日に掲載した審査状況では、1月31日までに受け付けた申請の審査が続いている。2月以降に申請した店は、入社時期の見通しが立たない。一方、停止から2カ月の7月時点で、転職市場の外国人材の求人は倍増していた(日本食糧新聞)。
在留者が上限5万人に迫り、4月13日から新規を停止
出入国在留管理庁(入管庁)と農林水産省は2026年3月27日、外食業分野の受け入れ上限の運用方針を公表した。在留者数が5月頃に上限の5万人を超える見込みとなったため、4月13日以降に受理した呼び寄せの申請には在留資格認定証明書を交付しない措置をとった。
- 在留者数(2026年2月末・速報値)
- 約4万6千人
- 受け入れ上限
- 5万人
- 停止措置の開始
- 2026年4月13日
出入国在留管理庁
農林水産省・出入国在留管理庁
この日以降に受理した申請から適用
再開の時期は示されていない。日本経済新聞によると、政府は枠に空きが生じれば再開を検討するとしている。日本食糧新聞は、上限が2029年3月末まで設定されていることから、停止が最長で約3年続く可能性があると伝えた。これは報道の見通しだが、採用計画は停止が長引く前提で組む方が安全だ。
止まったのは呼び寄せと、留学生などからの切り替え
申請の種類によって扱いがはっきり分かれる。困るのは、海外から人材を呼ぶ予定だった店と、アルバイトの留学生などを卒業後に特定技能へ切り替えて正社員にする予定だった店だ。農林水産省は外食業特定技能1号評価試験も当面、国内外で実施しないとしており、切り替えに向けて試験を受けさせる道も閉じている。
| 申請の種類 | 4月13日以降に受理した申請 | 審査が進んでいる受付日 |
|---|---|---|
| 海外からの呼び寄せ(認定証明書交付申請) | 不交付 | 1月31日受付分まで |
| 他の在留資格からの変更(留学など) | 原則不許可 | 4月12日受付分まで |
| 給食製造の技能実習修了者、特定活動(移行準備)からの変更 | 上限の範囲内で順次許可 | 8月31日受付分まで |
| 外食業の特定技能1号の分野内転職 | 通常どおり審査 | すべて |
| 在留期間の更新 | 通常どおり審査 | 審査が終わり次第許可 |
給食製造の技能実習から移る人を受け入れる場合は、申請時期が採用日を左右する。技能実習生は実習計画の修了後は働けないため、入管庁は就労開始予定日の2か月以上前に申請するよう求めている。
2月以降の呼び寄せ申請は9月10日時点で順番待ち
4月12日までに受理された呼び寄せの申請は審査が続くが、入社の見通しは遠い。入管庁の審査状況(2026年9月10日掲載)によると、入管庁は国内にいる人の変更申請を優先し、呼び寄せは受付日順に、受付日が1月31日までの申請を審査している。2月以降に受理した申請は、9月10日時点でまだ順番が来ていない。
同じページは、交付・許可の状況を入管庁や農林水産省に問い合わせても回答できないとしている。2月以降に呼び寄せを申請した店は、入社時期を自社で見積もる手がかりが、このページの受付日の更新しかない。入社を前提にしたシフトや出店日程は、審査が進むまで別の人員で埋める計画を持っておく方が現実的だ。
欠員の補充は転職の受け入れと国内採用が中心に
呼び寄せの順番待ちが続く間、欠員を補う道は主に2つになる。国内で外食業の特定技能1号として働く人の転職の受け入れと、日本人スタッフの採用・定着だ。日本食糧新聞(2026年7月6日付)は、停止から2カ月の時点で転職市場の外国人材の求人数が倍増し、人件費の上昇が経営を圧迫していると報じた。秋田魁新報によると、農林水産省は国内人材の確保について、企業の努力が最大限なされているかは「議論の余地がある」として、さらなる努力を求めている。
分野内の転職は通常どおり審査されるため、自店の特定技能スタッフが他店へ移るときに、停止措置が手続き上の妨げになることはない。一方、2月以降に申請した呼び寄せは順番が来ておらず、抜けた人の代わりを海外から呼んですぐ埋めることは難しい。特定技能スタッフが抜けると回らなくなる時間帯や店舗がある場合は、その人の処遇を、求人が増えたなかで他店が出す条件と比べておく必要がある。転職者を受け入れて補う店も、同じ相場のなかで条件を出すことになる。
育成就労は2027年4月施行、それまでは国内で回す計画を
その先の選択肢として、技能実習に代わる「育成就労」がある。共同通信の配信記事(熊本日日新聞掲載)によると、政府は2025年9月26日の閣議で2027年4月1日の施行を決めた。外食業で何人をどう受け入れるかは、入管庁・農林水産省の分野別の案内で確かめてから計画に入れ、個別の在留資格は行政書士などの専門家に相談する。
判断の節目になる数字は2つある。入管庁が公表する外食業の在留者数が減って上限に空きが出るか、審査状況ページで呼び寄せの受付日がどこまで進むかだ。どちらも動かない間は、2026年度下期の人員計画を、既存スタッフの定着と国内採用だけで回せる形に組んでおくことが、出店や営業時間を守る条件になる。
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