予約管理とモバイル注文は月額より「店に残る作業」で選ぶ
店内モバイルオーダーは2026年10月時点で月額17,600円から(Airレジ オーダー、税込・機器別)。減った作業が人件費に結び付かなければ費用が増えるだけだ。通常料金の総額と店に残る作業を、費用や連携など五項目で比べる。

店内のモバイルオーダーは、Airマーケット「Airレジ オーダー」の場合、2026年10月時点で月額17,600円から(税込、機器費用は別)かかる。日本政策金融公庫「はじめてのデジタル化ガイドブック」は、モバイルオーダーで減らせる業務量が人件費削減につながらなければ「純粋にコスト増」になると指摘する。予約管理もモバイル注文も、月額の安さや機能の数で選ぶと、支払いだけが増えかねない。比べるべきは導入後に店に残る作業と通常料金での総額で、その差は費用、POS連携、日常運用、サポート、データと契約の五項目に表れる。
予約は電話を、注文はホールの手間を減らす道具だ
予約管理とモバイル注文は、減らす仕事が違う。日本政策金融公庫のガイドブックは予約システムについて、電話対応が要らなくなるうえ、予約状況に合わせて従業員を配置でき、無駄な人件費を抑えられると説明する。TableCheck「予約・顧客管理システム」は、公式ウェブ予約を24時間365日自動で受け付けると案内している。
一方、Airマーケットによると、Airレジ オーダーは注文を一元管理し、調理・提供の順番まで管理するサービスだ。予約は来店前の電話と席の配分、モバイル注文は着席後の注文取りと会計入力に効く。電話に人を取られている店は予約管理、ホールの人手が足りない店はモバイル注文から比べると、候補を絞りやすい。両方を入れる場合も、どの仕事をどちらで減らすかを先に決めておくと、五項目のどこを重く見るかが決まる。
費用は方式の組み合わせと手数料で総額が変わる
Airレジ オーダーは、注文方法と調理・提供の管理方法を組み合わせてプランを選ぶ。2026年10月時点の月額はハンディが13,200円から、モバイルオーダー店内版が17,600円からで、いずれも税込で機器費用を含まない。含まれるハンディの台数などの条件はプランごとに異なるため、月額の差はそのまま割高・割安を示すものではない。
モバイルオーダー店外版は月額固定費が0円で、月額だけなら安く見える。ただし注文手数料3%と決済手数料3.24%がかかり、売上が伸びるほど支払いも増える。初期導入サポート費も、キッチンモニター利用プランは0円、キッチンプリンター利用プランは110,000円と開きがある。厨房の管理方法を選んだ時点で、初期導入サポート費が決まる形だ。
客のスマートフォンで注文を受ける方式は、通信が前提になる。日本政策金融公庫のガイドブックは、通信ができないと機能しないため、Wi-Fi環境が欠かせないとしている。通信環境を整える費用も含め、割引期間後の通常料金で総額を並べると比べやすい。
予約管理でも同じ考え方になる。TableCheckは公式ウェブ予約について送客手数料なしと案内しているが、これはその予約経路の手数料の説明だ。システムの利用料や必要な機能の追加費用は、見積もりで別に確かめる。
連携と運用の差は、取り消しや売り切れで表れる
Airマーケットによると、Airレジ オーダーで受けた注文はAirレジに連携され、会計で再入力する必要がない。ただし、他のPOSでも同じように動くとは限らない。日本政策金融公庫のガイドブックも、使っているPOSレジとの互換性を検討のポイントに挙げる。
差が出るのは、通常の注文より例外の場面だ。取り消しや変更が厨房と会計の両方に自動で届かなければ、スタッフが手で直すことになる。導入前に架空の予約と注文を流せば、実在客の情報を使わずに、この手直しの量を比べられる。
- 減らす仕事を決める予約の電話か、注文取りと会計入力か。比べる候補を絞る
- 架空の予約と注文を用意する実在客の連絡先や来店履歴は使わない
- 例外の場面を流す取り消し、売り切れ、追加注文、人数変更、席の組み替え
- 残る作業を記録する誰がどの画面を操作し、どこで手入力が残るか、何分かかるか
- 通常料金で見積もりを並べる割引期間後の月額と機器・通信・手数料を合わせて比べる
テストで記録した手入力の時間は、導入後も営業日ごとに払う人件費になる。月額の安い候補でも、手直しが毎日残れば、その時間分が総額に加わる。メニューや価格の更新、写真の差し替え、予約枠の調整にかかる時間も、導入後に毎月払う手間になる。設定を外部に頼むなら、依頼の範囲と追加料金が見積もりに入っているかで候補の総額が変わる。
Airマーケットによると、Airレジ オーダーの無料電話サポートは年中無休で、9時半から23時まで受け付ける。23時以降も営業する店は、その時間帯に止まった場合の動き方を自分たちで決めておく必要がある。受付時間の長さと、営業を再開できるまでの時間は別の話で、紙の受付やスタッフによる注文に戻す手順を、導入前のテストで一度試しておきたい。
顧客情報を多く記録するほど、権限と解約後の扱いが重くなる
データの扱いは、記録できる情報が多いほど重くなる。TableCheckは、飲食履歴や利用金額、好みやアレルギーを記録できる顧客管理機能や、予約時にクレジットカード情報を預かるキャンセル対策の機能を紹介している。入力する項目、閲覧できる役職、退職したスタッフの権限の外し方、解約後のデータの取り出し方は、契約前に規約と説明で確かめておきたい論点だ。
通常料金で払い続けられ、手直しが残らない形を選ぶ
五項目を踏まえると、導入するかどうかの条件は四つに絞れる。通常料金でも払い続けられるか、今のPOSと必要な範囲でつながるか、サポートの時間外や障害時に代わりの受付があるか、担当者が替わってもデータと権限を引き継げるか。導入後は、予約電話の対応時間、注文の修正件数、会計の再入力、設定更新の時間を、導入前と同じ曜日・時間帯で比べる。作業時間が減ってもシフトの時間が変わらなければ費用は増えるだけなので、人件費の変化は作業時間と分けて見る。そのうえで、予約管理だけ、モバイル注文だけ、両方という三つの選択肢を、同じ架空データで比べれば、店に合う形が見えてくる。
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