最低賃金、15府県は10月19日以降に改定 47地域の額と発効日
2026年度の最低賃金は全国加重平均1,177円。発効日は10月1日から12月2日まで分かれ、15府県は10月19日以降に上がる。47都道府県の額と発効日、手当を除く比べ方、据え置いた時給の差の縮み方を示す。

2026年度の最低賃金は全国加重平均で1,177円となり、前年度から56円上がった。ただし新しい額に切り替わる日は都道府県ごとに違い、10月1日の東京・大阪など15都道府県から、12月2日の沖縄まで2カ月にわたる。10月19日以降に発効するのは京都や九州の多くを含む15府県で、このうち9府県は発効日が月の途中に来るため、10月や11月の給与は計算期間の途中で時給が切り替わりやすい。複数の地域に店を持つ会社は、店ごとに額と日付を分けて時給表を組み直すことになる。
- 全国加重平均
- 1,177円
- 最も高い
- 1,280円
- 最も低い
- 1,085円
- 引上げ額の幅
- 54~65円
前年度から56円増
東京(10月1日発効)
宮崎(10月24日発効)
最大は佐賀、最小は東京・神奈川・大阪
出典:厚生労働省「全ての都道府県で地域別最低賃金の改定額が答申されました」、同「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」
10月19日以降に上がる府県が15ある
厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」によると、発効日は10月1日から12月2日まで分かれる。10月1日に切り替わったのは北海道、首都圏の1都3県、愛知、大阪、兵庫など15都道府県だ。一方、青森、山形、高知、宮崎、鹿児島は10月下旬、山梨、徳島、愛媛、大分、長崎は11月上旬、佐賀と京都は11月中旬、岩手と熊本は12月1日、沖縄は12月2日に発効する。
色:列の中で数字が大きいほど濃い青
| 都道府県 | 時間額(円) | 引上げ額(円) | 発効日(2026年) |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 1131 | 56 | 10/1 |
| 青森 | 1090 | 61 | 10/29 |
| 岩手 | 1090 | 59 | 12/1 |
| 宮城 | 1098 | 60 | 10/1 |
| 秋田 | 1090 | 59 | 10/14 |
| 山形 | 1092 | 60 | 10/30 |
| 福島 | 1094 | 61 | 10/16 |
| 茨城 | 1136 | 62 | 10/18 |
| 栃木 | 1125 | 57 | 10/1 |
| 群馬 | 1120 | 57 | 10/3 |
| 埼玉 | 1196 | 55 | 10/1 |
| 千葉 | 1195 | 55 | 10/1 |
| 東京 | 1280 | 54 | 10/1 |
| 神奈川 | 1279 | 54 | 10/1 |
| 新潟 | 1108 | 58 | 10/1 |
| 富山 | 1119 | 57 | 10/1 |
| 石川 | 1113 | 59 | 10/3 |
| 福井 | 1112 | 59 | 10/4 |
| 山梨 | 1113 | 61 | 11/1 |
| 長野 | 1117 | 56 | 10/2 |
| 岐阜 | 1121 | 56 | 10/1 |
| 静岡 | 1154 | 57 | 10/15 |
| 愛知 | 1195 | 55 | 10/1 |
| 三重 | 1143 | 56 | 10/1 |
| 滋賀 | 1136 | 56 | 10/3 |
| 京都 | 1180 | 58 | 11/16 |
| 大阪 | 1231 | 54 | 10/1 |
| 兵庫 | 1172 | 56 | 10/1 |
| 奈良 | 1107 | 56 | 10/4 |
| 和歌山 | 1101 | 56 | 10/3 |
| 鳥取 | 1090 | 60 | 10/3 |
| 島根 | 1092 | 59 | 10/10 |
| 岡山 | 1104 | 57 | 10/2 |
| 広島 | 1141 | 56 | 10/11 |
| 山口 | 1101 | 58 | 10/8 |
| 徳島 | 1103 | 57 | 11/1 |
| 香川 | 1092 | 56 | 10/1 |
| 愛媛 | 1093 | 60 | 11/1 |
| 高知 | 1086 | 63 | 10/29 |
| 福岡 | 1114 | 57 | 10/4 |
| 佐賀 | 1095 | 65 | 11/15 |
| 長崎 | 1087 | 56 | 11/2 |
| 熊本 | 1092 | 58 | 12/1 |
| 大分 | 1096 | 61 | 11/1 |
| 宮崎 | 1085 | 62 | 10/24 |
| 鹿児島 | 1090 | 64 | 10/25 |
| 沖縄 | 1086 | 63 | 12/2 |
出典:厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金全国一覧」
発効が遅い地域は、それまで前年度の額が下限となる。発効日より前に出す求人でも、勤務が発効日をまたぐなら、改定後の額以上の時給にしておけば発効日に求人票を出し直さずに済む。
一覧の額は答申された改定額で、厚生労働省の答申発表によると正式な額は各労働局長が決めるので、店の所在地の額は労働局の告示で確かめる。
上げ率は佐賀6.3%、東京4.4% 地方の店ほど人件費に響く
改定前の額(改定後の額から引上げ額を引いた額)に対する上げ率を計算すると、佐賀は約6.3%、東京は約4.4%となる。最低額の近くでアルバイトを雇っている店では、この上げ率がほぼそのまま時給の上げ率になる。アルバイトの時給が人件費の多くを占める店なら、佐賀の店は東京の店より人件費の伸びが大きくなりやすい。売上が同じだけ伸びないかぎり、人件費率の上がり方も地方の店のほうが大きくなる。
全国加重平均の1,177円は労働者数で重みをつけた全国の指標で、店が守るべき下限は所在地の額だ。全国平均を基準に時給を決めると、首都圏や大阪では下限を下回る。反対に東北や九州の各県では、法定の下限より高い額を、法律で必要な最低額だと思い込むことになる。
時給を据え置いても、最低額との差は引上げ分だけ縮む
飲食店ドットコムの調査によると、改定を受けて引上げ額分を時給に上乗せする予定の店は47.2%、すでに新しい最低額を上回るため据え置く予定の店は35.3%だった。対象は同サイト会員の経営者・運営者235人で、2026年9月10~14日にインターネットで回答を集めた。
据え置く店でも、最低額との差は引上げ額の分だけ縮む。東京なら54円、佐賀なら65円だ。改定前の上乗せが引上げ額より小さかった店は、据え置くと発効日に新しい最低額を下回る。新人と経験者、ホールとキッチンリーダーの時給差を最低額からの上乗せで決めている店では、最低額だけを上げると経験者との差が詰まる。改定は、店内の時給差をどこまで残すかを決め直す機会になる。
手当込みで足りても、基本給が下回れば不足になる
厚生労働省「使用者と最低賃金制度」によると、最低額と比べるのは上の手当などを除いた賃金だ。手当込みの総支給額が新しい最低額を超えていても、基本の時給が下回れば不足になる。基本給を抑えて手当を厚くしている月給の社員は、厚生労働省「最低賃金のチェック方法」の方法で時間額に換算すると下回る場合がある。個別の判断は労働局や社会保険労務士に確かめる。
同じFAQによると、給与の計算期間の途中で発効した場合も、発効日以降の労働には改定後の額以上を払う。たとえば20日締めの店で発効日が10月24日なら、同じ計算期間の中に前年度の額の日と新しい額の日が混ざる。勤怠や給与のシステムでは、時給の切り替え日を締め日ではなく発効日に合わせておく。
時給表の見直しで押さえるのは、店の所在地の額と発効日、最低額と比べる賃金の範囲、改定後に残す店内の時給差の3点だ。10月19日以降に発効する15府県に店があるなら、発効日を含む給与計算期間の切り替えと、次の募集の時給を先に決めておく選択肢がある。人件費率は、発効後の最初の月の数字で上げ幅を確かめることになる。
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