業務改善助成金、10月17日時点で申請できるのは16県
2026年度の業務改善助成金は、最低賃金の発効日の前日か11月30日の早い方が申請期限だ。10月17日時点で受け付けるのは16県で、時給は申請後に上げる必要がある。県別の期限と、助成の対象になる賃上げの順番を示す。

2026年度の業務改善助成金を新たに申請できるのは、10月17日時点で16県に限られる。申請期限は店の所在地の最低賃金が発効する日の前日か、11月30日の早い方だ。東京や大阪を含む31都道府県はすでに締め切った。残る16県では、申請してから発効日の前日までに時給を上げれば、設備投資の費用の一部が助成される。最低賃金の改定でどのみち時給を上げる店にとっては、申請と賃上げの順番を守れるかどうかで、同じ賃上げが助成の対象になるかが分かれる。
10月17日時点で申請できるのは16県、最後は11月30日
厚生労働省の業務改善助成金のページは9月24日、申請期間を改めて周知した。受付は9月1日に始まり、締切は事業場の所在する都道府県の最低賃金の発効日の前日か、11月30日の早い日となる。令和8年度地域別最低賃金の全国一覧の発効日に当てはめると、10月17日以降に期限が来るのは次の16県だ。
色:列の中で数字が大きいほど濃い青
| 都道府県 | 申請期限 | 改定前の最低賃金(円) | 改定後の最低賃金(円) | 引上げ額(円) |
|---|---|---|---|---|
| 茨城 | 10月17日 | 1,074 | 1,136 | 62 |
| 宮崎 | 10月23日 | 1,023 | 1,085 | 62 |
| 鹿児島 | 10月24日 | 1,026 | 1,090 | 64 |
| 青森 | 10月28日 | 1,029 | 1,090 | 61 |
| 高知 | 10月28日 | 1,023 | 1,086 | 63 |
| 山形 | 10月29日 | 1,032 | 1,092 | 60 |
| 山梨 | 10月31日 | 1,052 | 1,113 | 61 |
| 大分 | 10月31日 | 1,035 | 1,096 | 61 |
| 愛媛 | 10月31日 | 1,033 | 1,093 | 60 |
| 徳島 | 10月31日 | 1,046 | 1,103 | 57 |
| 長崎 | 11月1日 | 1,031 | 1,087 | 56 |
| 佐賀 | 11月14日 | 1,030 | 1,095 | 65 |
| 京都 | 11月15日 | 1,122 | 1,180 | 58 |
| 岩手 | 11月30日 | 1,031 | 1,090 | 59 |
| 熊本 | 11月30日 | 1,034 | 1,092 | 58 |
| 沖縄 | 11月30日 | 1,023 | 1,086 | 63 |
茨城は公開日の10月17日が期限にあたり、10月中に期限が来る県が10県ある。11月30日まで申請できるのは、発効日が12月にずれ込む岩手・熊本・沖縄の3県だけだ。12月以降に申請を受け付ける県はない。
期限は会社の本社ではなく、助成を受ける事業場の所在地で決まる。東京の店は10月1日に最低賃金が発効したため、9月30日で受付を終えた。複数の県に店を持つ会社が、締切の遅い県の日付を東京の店に使うことはできない。
申請方法は、期限から逆算して選ぶ。電子申請はJグランツで受け付け、GビズIDプライムが要る。デジタル庁のGビズID案内によると、プライムの審査はマイナンバーカードを使うオンライン申請で最短即日、書類申請では最大1か月かかる。IDを持たず、マイナンバーカードを使わずに書類で取る店は、10月中の期限に審査が間に合わないおそれがある。紙の申請は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が受け付ける。ただし表の期限のうち10月17日・24日・31日と11月1日・14日・15日は土日に当たる。紙で出すなら、窓口で受け付ける最終日と予約の要否を、所在地の労働局に早めに確かめておきたい。
改定前の最低賃金で雇う店は対象、13県ではその水準なら助成率5分の4
業務改善助成金は、生産性を高める設備投資などを行い、事業場内で最も低い時給を一定額以上上げた場合に、設備費の一部を助成する制度だ。厚生労働省の一部変更のお知らせによると、2026年度は引上げ額50円・70円・90円の3コースがある。対象は、事業場内最低賃金が改定後の地域別最低賃金を下回る事業場まで広げられた。改定後と同じ額をすでに払っている事業場は対象外となる。
16県の引上げ額は56〜65円だ。改定前の最低賃金で雇っている店が新しい最低賃金まで上げると、引上げ額は計算上いずれの県でも50円を超える。最低賃金に合わせる賃上げが、そのまま50円コースの水準に届く店があることになる。
助成率は、引上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満なら5分の4、1,050円以上なら4分の3だ。表の16県のうち、茨城・山梨・京都を除く13県は改定前の最低賃金が1,050円を下回る。その水準で雇っている事業場は、助成率の高い区分に入る。
ただし、事業場内最低賃金は、雇用保険に入っていて雇い入れから6か月を過ぎた従業員の中で、最も低い時給で決まる(業務改善助成金Q&A問21)。一方、助成の上限額を決める「引上げ労働者数」には、雇い入れから6か月未満でも、申請日に雇用保険に入っている従業員を数える。雇用保険に入っていない従業員は数えない。従業員がいない店は対象にならない。アルバイトが中心の店では、雇用保険に入っている従業員が何人いるかを先に数えておくと、受け取れる額の見当がつく。
時給は申請の後、発効日の前日までに一度で上げる
賃上げを申請より先に済ませると、助成の対象から外れる。一部変更のお知らせは、最低賃金の発効に対応する賃上げを「申請後から発効日の前日まで」に行うよう求めている。発効日当日に上げた例は対象外と明記され、複数回に分けた引上げも認めない。上げた後の事業場内最低賃金と同じ額を、就業規則などに定める必要もある。
- 申請所在地の県の期限(発効日の前日か11月30日の早い日)までに、賃上げ計画と設備投資の計画を出す。
- 賃上げ申請の後、発効日の前日までに1回で上げ、同じ額を就業規則などに定める。
- 発注設備は交付決定を受けてから発注する。
- 事業完了納品・支払い・賃上げを、交付決定の属する年度の1月31日までに終える。
- 報告と支給事業の結果を報告し、設備費の一部が助成金として支給される。
設備は交付決定後に発注し、年度の1月31日までに納める
設備の発注は交付決定を受けてからになる。厚生労働省のページによると、納品・支払い完了・賃上げは、交付決定を受けた年度の1月31日までに終える必要がある。2026年度中に交付決定を受けた場合は、2027年1月31日が期限になる。納入業者の都合など、やむを得ない理由を事前に理由書とともに届け出れば、同じ年度の3月31日まで延びる場合がある。納期の長い厨房機器を選ぶなら、見積もりの段階で納品日を確かめておくと、交付決定後の計画変更を避けやすい。
表の16県(10月17日時点で申請期限が残る県)の店が判断する条件は3つある。1つ目は、所在地の申請期限に間に合うか。2つ目は、雇用保険に入って雇い入れから6か月を過ぎた従業員の中で最も低い時給が、改定後の最低賃金を下回っているかだ。上限額を決める人数には、6か月未満でも申請日に雇用保険に入っている従業員を数える。3つ目は、設備を交付決定を受けた年度の1月31日(2026年度中の交付決定なら2027年1月31日)までに納品・支払いできるかだ。対象や例外の扱いは、交付要綱・公募要領と社会保険労務士などの専門家で確かめる事項だ。期限に間に合わない場合は、最低賃金への対応を発効日までに済ませ、今年度の助成は見送るという選択になる。
出典
この記事に関連するサービス
一覧を見る関連記事

業務改善助成金の締切は県で違う 東京・大阪は終了、11月まで残るのは6府県
業務改善助成金の申請期限は最低賃金の発効日の前日か11月30日の早い日。10月13日時点で28都道府県は締切済みで、残る19府県も13県が10月中に締め切る。県別の期限と残り日数、対象になる店の条件を示す。

業務改善助成金は賃上げ前に申請、10月30日以降は10府県のみ
2026年度の業務改善助成金は、申請より前に上げた賃金を対象にしない。10月30日以降も申請できるのは岩手、京都など10府県で、期限が土日の7府県は窓口・郵送の締切が早まりうる。賃上げを生かす順序と、コース別の上限額、設備の発注時期を示す。

持続化補助金で飲食店の販促費はどこまで出るか、締切は12月15日
持続化補助金の第20回は2026年12月15日締切。チラシや看板、ウェブは対象になるが、広報費とウェブ関連費は補助額が各30万円までで、交付決定前の発注は出ない。飲食店が販促に使うときの線引きと日程の逆算を示す。