業務改善助成金の締切は県で違う 東京・大阪は終了、11月まで残るのは6府県
業務改善助成金の申請期限は最低賃金の発効日の前日か11月30日の早い日。10月13日時点で28都道府県は締切済みで、残る19府県も13県が10月中に締め切る。県別の期限と残り日数、対象になる店の条件を示す。

全国の飲食店が10月以降に申請できる補助金の軸は、厚生労働省の業務改善助成金だ。2026年度の申請期限は、店のある都道府県で地域別最低賃金が発効する日の前日か、11月30日の早い方になる。10月13日時点で、東京・大阪・愛知を含む28都道府県はすでに締め切った。申請できるのは19府県で、うち秋田は13日が期限、静岡・福島・茨城も17日までに締め切る。11月まで申請できるのは長崎・佐賀・京都・岩手・熊本・沖縄の6府県にとどまる。
締切が県ごとに違うのは、最低賃金の発効日が県ごとに違うためだ。厚生労働省は9月24日、業務改善助成金のページで申請期間を改めて告知した。県によっては9月末が期限になるとの注意も添えている。助成を受けるには、従業員の最低時給を引き上げる計画と設備投資の計画を組み合わせて出す必要がある。期限が最も遅い岩手・熊本・沖縄でも、申請は11月30日までだ。
東京・大阪・愛知など28都道府県は、申請をすでに締め切った
根拠は厚生労働省の最低賃金一覧だ。北海道、東京、大阪、愛知など15都道府県は、10月1日に新しい最低賃金が発効した。これらの申請期限は前日の9月30日だった。10月2日から11日の間に発効した13県も、すでに期限を過ぎている。発効が10月11日だった広島でも、期限は10月10日だった。
- 締切済み
- 28都道府県
- 10月中に締切
- 13県
- 11月に締切
- 6府県
東京・大阪・愛知・福岡など。期限は9月30日〜10月10日
秋田は10月13日、静岡は14日が期限
長崎・佐賀・京都・岩手・熊本・沖縄
締め切った県には、飲食店が集まる首都圏・中京圏・関西圏の大半と福岡が含まれる。関西で申請できるのは、11月15日が期限の京都だけだ。これらの都道府県の店は、2026年度の業務改善助成金を新たに申請できない。
| 申請期限 | 都道府県 |
|---|---|
| 9月30日 | 北海道、宮城、栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、富山、岐阜、愛知、三重、大阪、兵庫、香川 |
| 10月1日 | 長野、岡山 |
| 10月2日 | 群馬、石川、滋賀、和歌山、鳥取 |
| 10月3日 | 福井、奈良、福岡 |
| 10月7日 | 山口 |
| 10月9日 | 島根 |
| 10月10日 | 広島 |
残る府県も大半は10月中に締切、11月末まで残るのは3県
10月13日時点で申請できる19府県のうち、13県は10月中に期限を迎える。秋田、静岡、福島、茨城の4県は10月17日までに締め切る。宮崎、鹿児島、青森、高知、山形が10月23日から29日、山梨、徳島、愛媛、大分の4県が10月31日に続く。下の表の日数は、10月13日から申請期限までを数えた。色が薄いほど締切が近い。
色:列の中で数字が大きいほど濃い青
| 府県 | 最低賃金の発効日 | 申請期限 | 期限までの日数(10月13日時点) |
|---|---|---|---|
| 秋田 | 10月14日 | 10月13日 | 0日 |
| 静岡 | 10月15日 | 10月14日 | 1日 |
| 福島 | 10月16日 | 10月15日 | 2日 |
| 茨城 | 10月18日 | 10月17日 | 4日 |
| 宮崎 | 10月24日 | 10月23日 | 10日 |
| 鹿児島 | 10月25日 | 10月24日 | 11日 |
| 青森 | 10月29日 | 10月28日 | 15日 |
| 高知 | 10月29日 | 10月28日 | 15日 |
| 山形 | 10月30日 | 10月29日 | 16日 |
| 山梨 | 11月1日 | 10月31日 | 18日 |
| 徳島 | 11月1日 | 10月31日 | 18日 |
| 愛媛 | 11月1日 | 10月31日 | 18日 |
| 大分 | 11月1日 | 10月31日 | 18日 |
| 長崎 | 11月2日 | 11月1日 | 19日 |
| 佐賀 | 11月15日 | 11月14日 | 32日 |
| 京都 | 11月16日 |
11月に入っても申請できるのは、長崎(11月1日)、佐賀(11月14日)、京都(11月15日)と、岩手・熊本・沖縄(11月30日)だ。沖縄は最低賃金の発効が12月2日だが、11月30日の上限が先に来る。
期限の日付だけで間に合うとは限らない。同省の「一部変更のお知らせ」は、時給の引上げを申請より後に行うよう求めている。最低賃金の発効に合わせて上げる場合は、申請後から発効日の前日までに済ませる必要がある。すでに時給を上げてしまった後では申請できない。同省のリーフレットによると、交付決定の前に入れた設備は助成の対象にならない。予算の範囲内で交付するため、申請期間の途中で募集を終える場合もある。
電子申請はJグランツで受け付け、GビズIDプライムが必要になる。紙の申請は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)が窓口だ。期限が10月17日までの秋田・静岡・福島・茨城では、IDの有無と見積もりの準備が間に合うかどうかが分かれ目になる。
対象は、従業員の最低時給を50円以上上げて設備にも投資する店
条件は同省のリーフレットに示されている。対象は中小企業・小規模事業者で、事業場内で一番低い時給が2026年度の地域別最低賃金を下回る事業場だ。従業員がいない店は対象にならない。その一番低い時給を50円以上引き上げ、生産性を高める設備投資などを行うと、費用の一部が助成される。リーフレットは対象経費の例として、POSレジの導入による在庫管理の短縮を挙げる。
助成額は、設備投資などの費用に助成率をかけた額と上限額のうち、低い方になる。上限額は引上げ額(50円・70円・90円のコース)と、時給を上げる人数で変わり、最大600万円だ。50円コースで1人だけ上げる場合、上限は30万円(事業場規模30人未満の事業者は40万円)となる。助成率は、引上げ前の一番低い時給が1,050円未満なら5分の4、1,050円以上なら4分の3だ。
助成率は、引上げ前の事業場内最低賃金で決まる。10月13日時点で申請できる19府県のうち15県は、改定前の最低賃金が1,050円を下回っていた。時給を上げる対象に数えられるのは、雇用保険に入り、週20時間以上働き、雇い入れから6か月を過ぎた従業員に限られる。これらの県では、改定前の最低賃金の水準で働く従業員がこの対象者に当たる店なら、5分の4になる。数え方は交付要領と労働局で確かめる必要がある。短時間のアルバイトが中心の店では、対象人数が想定より少なくなりうる。採択は労働局の審査で決まるため、最新の交付要綱・要領と管轄の労働局で条件を確かめてから設備を発注する手順になる。
市町村の補助金は、掲載中でも受付終了や予算切れがある
補助金の一覧サイトには、市町村独自の制度も並ぶ。ただし、掲載中でも新規受付を終えた制度がある。橿原市の起業支援の補助金は申請を締め切った。7月13日に執行率が100%となり、2026年度の受付を終えている。赤磐市の省エネ設備の補助金も新規受付を終えた。エントリー申請は9月7日に終わっている。10月16日までの交付申請は、抽選結果の通知を受けた事業者向けの手続きだ。
受付期間が残っていても、予算に達した時点で終わる制度もある。宗像市の中小企業向け補助金が例だ。受付は12月25日までだが、先着順で予算上限に達し次第終わる。市町村の制度は対象が市内の事業者に限られ、新規申請を受け付けているかどうかは市の公式ページで最新の告知を見るまでわからない。
これから設備投資と賃上げを組み合わせて業務改善助成金を受けられるのは、店の所在地の申請期限がまだ来ていない府県の店に限られる(10月13日時点で19府県)。分かれ目は三つある。期限内に申請を出せるか、申請を出してから発効日の前日までに時給を上げられるか、そして交付決定まで設備の発注を待てるかだ。28都道府県の店にとっては、2026年度の同助成金はすでに選択肢から外れている。
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