持続化補助金で飲食店の販促費はどこまで出るか、締切は12月15日
持続化補助金の第20回は2026年12月15日締切。チラシや看板、ウェブは対象になるが、広報費とウェブ関連費は補助額が各30万円までで、交付決定前の発注は出ない。飲食店が販促に使うときの線引きと日程の逆算を示す。

小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>の第20回は、2026年12月15日(火)17時に申請を締め切る。補助率は3分の2、上限は原則50万円で、チラシ、看板、SNS広告、店のウェブサイトといった飲食店の販促費の多くが対象に入る。ただし広報費とウェブサイト関連費は補助額が各30万円(税込)までで、それだけでは申請できない。さらに、交付決定より前に発注した分は対象にならない。販促に使うなら「何に使えるか」と同じくらい、「いつ発注できるか」と、商工会・商工会議所に書類を頼む12月4日の締切が分かれ目になる。
使えるのはチラシ・看板・ウェブ、補助額は各30万円まで
飲食店の販促で使う経費は、主に広報費とウェブサイト関連費に入る。公募要領第8版によると、どちらも単独では申請できず、補助金交付申請額の上限は各30万円(税込)だ。店舗の改装工事は委託・外注費に入り、販路開拓や業務効率化に結びつくものが対象になる。
| 区分 | 対象になる例 | 対象外の例 |
|---|---|---|
| 広報費 | チラシの外注・発送、看板の作成・設置、SNS広告・インターネット広告、DM発送、宣伝広告を載せた販促品 | 宣伝を目的としない看板・求人広告、名刺、金券・商品券、配らなかったチラシ、補助事業期間外の広告 |
| ウェブサイト関連費 | 商品販売のためのサイト作成・更新、顧客管理システムの構築、効果や作業内容が明確なSEO対策、宣材写真の制作 | コンサルティング費用、導入済みソフトの更新料、期間内に運用に至らなかったサイト、インターネット利用料 |
| 委託・外注費 | 販路開拓や業務効率化に結びつく店舗改装、利用客向けトイレの改装 | 不動産の取得にあたる増築・増床 |
| 全区分で対象外 | — | 飲食・接待の費用、通信費、光熱水費、敷金・仲介手数料、フランチャイズ本部との取引、親族等への発注 |
看板は対象例に挙がる一方、要領は店名や商品名、宣伝文句のない単なる会社のPRを対象外の例とする。看板やのぼりは、店の名前と売りたい商品を載せる前提で計画に書くと線引きに沿う。フランチャイズ加盟店は、本部が作る広告物の購入も、本部指定の機器を本部以外から買う場合も対象外だ。
予約システムは、ウェブサイト関連費の「システム等の開発、構築、更新、改修、運用」に当たるかが判断の軸になる。顧客管理システムの構築は対象例に入るため、予約と顧客管理を兼ねるサービスなら、見積書を添えて商工会・商工会議所に区分を尋ねておくと計画が固めやすい。月額課金のサービスは、補助事業期間を超える契約分が按分され、期間分だけが対象になる。POSソフトは、業務効率化の取組として計画に書いた場合に限り対象だ。
金額の目安では、補助対象経費が75万円なら、その3分の2の50万円が補助額になる。広報費とウェブサイト関連費をそれぞれ上限まで積んでも、通常枠では合計50万円が上限だ。それを超える分は、インボイス特例(50万円上乗せ)や賃金引上げ特例(150万円上乗せ)の要件を満たした場合に限って補助される。
交付決定前に刷ったチラシは対象外、春の販促は日程から逆算する
補助金は後払いで、対象は交付決定日以降に発注し、補助事業期間中に支払いを終えた経費だけだ。採択発表は2027年3月頃の予定で、要領は交付決定まで採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があるとする。
- 2026年12月4日商工会・商工会議所への事業支援計画書(様式4)の発行依頼の締切
- 2026年12月15日 17:00申請の締切(受付開始は11月5日)
- 2027年3月頃採択発表
- 採択発表後見積書等を提出(期限2028年2月29日、出さないと採択取消し)
- 交付決定後発注・実施・支払い。ここからの経費が対象
- 2028年3月31日事業の実施期限
採択の直後に春の歓送迎会向けのチラシを刷っても、交付決定の通知前なら対象にならない。春の繁忙期に間に合わせたい販促は自費で先に打ち、補助金は交付決定後の看板やサイト改修、夏以降のチラシに充てる、という分け方が現実的だ。自己負担分と、支払ってから補助金が入るまでの資金も、あらかじめ手元に用意しておく必要がある。
審査は書面だけ、販促費は客数と客単価の計画で説明する
公募要領第8版によると、審査は有識者による書面審査で、ヒアリングはない。計画審査は、経営状況分析の妥当性、経営方針・目標とプランの適切性、補助事業計画の有効性、積算の透明・適切性の4項目で、いずれも売上高・売上総利益の増加を目指す内容かが問われる。
飲食店なら、チラシや看板の費用を並べるだけでは足りない。商圏や客層の分析から、誰に何を訴求し、客数や客単価をどう動かすかを、客観的な事実でつなげて書けるかが評価を分ける。積算では金額が真に必要かが見られ、1件50万円超(税込)の発注は原則2者以上の相見積もりが要る。
商工会・商工会議所への依頼は12月4日まで、申請締切の11日前
この補助金は、商工会・商工会議所の支援を受けて取り組むことが要件で、申請には事業支援計画書(様式4)が要る。発行依頼の締切は2026年12月4日(金)で、締切後はいかなる理由でも受け付けられない。代表者に計画の内容を直接確かめる場合もあるため、計画を自分の言葉で説明できる状態で依頼する必要がある。窓口は、商工会地区の事務局が案内する地域の商工会か、商工会議所地区の事務局が案内する各商工会議所だ。
相談の場は書類の添削だけに使うより、看板や予約システム、改装工事がどの経費区分に入るかを見積書で確かめる機会にすると効率がよい。様式4の発行までにかかる日数も早めに尋ねておけば、12月4日の締切から準備の日程を逆算できる。
第20回で申請するかどうかは、三つの条件で決まる。販促の時期を交付決定後の2027年春以降にずらせるか、広報費とウェブサイト関連費だけでなく計画全体で売上の伸ばし方を説明できるか、特例の要件を満たして上限を広げられるかだ。条件がそろうなら12月4日の様式4の依頼から逆算して準備を進め、そろわないなら春の販促を自費で打ち、次の公募回を待つという選択肢もある。補助金の要件は公募回ごとに改訂されるため、申請前に最新の公募要領を読み、商工会・商工会議所や専門家に確かめておきたい。
出典
この記事に関連するサービス
一覧を見る関連記事

業務改善助成金は賃上げ前に申請、10月30日以降は10府県のみ
2026年度の業務改善助成金は、申請より前に上げた賃金を対象にしない。10月30日以降も申請できるのは岩手、京都など10府県で、期限が土日の7府県は窓口・郵送の締切が早まりうる。賃上げを生かす順序と、コース別の上限額、設備の発注時期を示す。

飲食店の補助金は公募要領の5項目で選ぶ 年内に締め切る2制度を比較
業務改善助成金と持続化補助金第20回は、締切が2026年11〜12月に集中する。公募要領の5項目で見る対象と上限、第20回で加わった売上増の条件、制度ごとの申請経路とGビズIDの準備期間、交付決定前の発注の落とし穴を整理する。

業務改善助成金、10月17日時点で申請できるのは16県
2026年度の業務改善助成金は、最低賃金の発効日の前日か11月30日の早い方が申請期限だ。10月17日時点で受け付けるのは16県で、時給は申請後に上げる必要がある。県別の期限と、助成の対象になる賃上げの順番を示す。