街角景気9月、飲食の先行きDIが分野別で最大の3.8ポイント低下
内閣府の景気ウォッチャー調査(2026年9月)で、飲食関連の先行き判断DIは43.9と3.8ポイント下がり、全分野で最大の低下となった。連休で足元は持ち直したが、年末は仕入れと光熱費で利益が残りにくいとの声が目立つ。

内閣府の景気ウォッチャー調査(2026年9月調査、10月8日公表)で、飲食関連の先行き判断DIは43.9となり、前月から3.8ポイント下がった。下げ幅は小売や製造業、雇用などを含む全分野の中で最も大きい。9月の大型連休で足元の判断は46.7とわずかに上がったが、11〜12月の忘年会シーズンを、飲食の現場は他業種より慎重にみている。宴会の需要は見込めても、仕入れ値と光熱費の上昇で利益が残りにくいという声が目立つ。
飲食の先行き判断は43.9、全分野で最も大きく下げた
飲食関連の先行き判断DI(季節調整値)は、8月の47.7から9月は43.9へ下がり、7月の42.9に近い水準に戻った。現状判断DIは3か月前と比べた景気の判断、先行き判断DIは2〜3か月先の見通しを尋ねたもので、9月調査の先行きはちょうど年末商戦の時期にあたる。
内閣府の調査結果によると、全体の先行き判断DIは47.4で、前月より0.9ポイント低い。全体の現状判断DIは47.0と5か月連続で上がっており、景気全体は持ち直しが続くという見方である。足元は上がり、先行きは下がるという形はサービス関連にも共通するが、先行きの下げ幅は飲食関連が大きい。
色:0より高いほど濃い橙、低いほど濃い青
| 分野 | 現状判断DI | 現状の前月差 | 先行き判断DI | 先行きの前月差 |
|---|---|---|---|---|
| 全体(家計・企業・雇用の合計) | 47.0 | +0.6 | 47.4 | -0.9 |
| 小売関連 | 45.5 | +0.8 | 47.3 | +0.3 |
| 飲食関連 | 46.7 | +0.5 | 43.9 | -3.8 |
| サービス関連 | 50.5 | +3.7 | 48.5 | -2.7 |
| 住宅関連 | 40.3 | -5.8 | 41.0 | -1.2 |
年末の売上計画を前年並みの伸びで組んでいる店にとって、飲食の現場の年末の見方が他業種より慎重なことは、仕入れや人員を厚くしすぎないための判断材料になる。
連休で客は戻ったが、普段の外食を絞る動きも出た
フードリンクニュースは、9月の大型連休が外食需要を押し上げたとみている。ただ、その恩恵の大きさは店によって差があった。内閣府の現状判断の理由では、北海道の高級レストランが連休の来客数は「お盆やゴールデンウィークと比べても多いほど」と答えた。インバウンドの来店が多く、直近では国内客を上回るという。九州の居酒屋は、九州新幹線の全線再開や県独自の観光応援割の効果もあり、連休を境に大きく伸びたと答えた。沖縄の一般レストランも来客増を挙げた。
一方で、近畿の高級レストランは、連休は長かったものの予定外の外食を控える動きが増えたと答えた。東海の高級レストランは、物価上昇と天候不順で平日の客足が伸び悩む半面、週末の集まりはおおむね好調で、メリハリ消費が鮮明になったという。先行き判断の理由でも、10月からの物価上昇を前に客の財布のひもは既に固いという声や、飲食料品の消費税引下げの対象外となる外食は10%のままで、外食控えが強まるとの見方が出ている。
連休や週末の集まりには支出するが、普段の外食は絞る客がいることを示す回答である。こうした客が増えれば、売上は特定の日に偏り、平日の席をどう埋めるかが店ごとの差になりやすい。
年末は宴会に期待しつつ、利益は仕入れと光熱費に削られるとみる
先行きについての回答では、年末の客足増を見込む声と、売上が伸びても利益が残らないとする声が並ぶ。内閣府の先行き判断の理由で、ある一般レストランの経営者は、11〜12月は客足が伸びてケータリングも増え、売上が今より2割ほど増えるとみる。別の経営者は、宴会需要は見込めるものの、仕入価格の高騰や光熱費の上昇で利益が増える見込みは薄いと答えた。いずれも内閣府が主だったもの、特徴的なものとして選んだ回答で、全体の比率を示すものではない。
光熱費では、経済産業省の電気・ガス料金の支援が2026年7〜9月使用分を対象とし、低圧の電気は9月使用分で1kWhあたり3.5円を値引きした。フードリンクニュースは、10月分からの補助金終了と11月からの電気料金改定が、客の節約志向と自店のコスト増への懸念を通じて先行きの低下につながったと推測している。10〜12月の光熱費の見込みは、値引きのない単価と、契約先の電力会社が通知する11月以降の料金で組み直すことになる。
10月調査で先行きが戻るかで、9月の下げが一時的かを見分ける
年末の見通しは、季節調整値の先行き判断が10月調査で戻るかで見極める。飲食関連の先行き判断は月ごとの振れが大きく、6月の46.0から7月に42.9へ下がり、8月に47.7まで戻った後、9月に再び43.9へ下がった。季節調整をしない原数値では9月の先行きは45.4と0.6ポイント上がったが、例年のこの時期の上がり幅には届かなかった。季節調整値の低下は、年末への期待が例年より弱いことを示している。
- 現状判断
- 先行き判断
表で見る
| 現状判断 | 先行き判断 | |
|---|---|---|
| 4月 | 34.6 | 38.9 |
| 5月 |
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